これまでのコロナ対策に効果はあったのか
『医師でさえ「発生届のまとめ」を見ることができない』という記事が公開されていました。 |
医師でさえ「発生届のまとめ」を見ることができない
新型コロナウイルス感染症は「新型インフルエンザ等感染症」に指定されており、感染症における分類の中で上から2番目に危険度が高い、鳥インフルエンザや結核、ジフテリアなどの2類感染症と同等の「2類相当」として扱われています。そのため、感染症法に基づき、医師には届出(発生届)の報告義務があります。
発生届には、陽性者の名前や住所などの個人情報のほか、ワクチン接種に関する情報や、重症化するリスクがあると考えられている基礎疾患、喫煙歴、妊娠の有無、重症化の有無などについて記載する必要があります。そのため、PCR検査を行う際に、これらの記載事項をすべて聞き取り、翌日PCRの結果が陽性だった人についてのみ、カルテに記載していたこれらの情報を発生届に記載し直すという作業を行う必要がありました。
それらをまとめることは、ワクチン接種によるコロナ感染予防効果など大変貴重な報告となり、私たち国民に還元されるべき情報になりえるのですが、匿名化された情報が公開されているかといえば、そうではありません。提出している医師も、それらの情報を見ることは可能ではないのです。
情報開示をして、現実に即したコロナ対応を検討すべき
世界では、これまで18万本以上もの新型コロナウイルス感染症に関する論文が発表されています。ところが今年4月、科学技術振興機構(JST)の分析により、日本は総論文数で14位にとどまっていることがわかったと報道されました*。この報道では、日本の基礎研究力の低下とともに、感染症対策を海外の研究成果に頼ってきた実態が改めて浮き彫りになったと指摘されています。
*日本経済新聞 2022年4月3日付『コロナの研究論文数、日本14位 存在感薄く』(https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59659180S2A400C2EA1000/)
なぜこうした事態に陥ってしまっているのでしょうか。私は研究力の低下だけが問題ではないと考えています。
先ほどの述べた発生届がいい例でしょう。匿名化していれば、情報を開示しても個人を特定することはできないため、本来は開示しても問題ないはずです。ところが情報が広く公開されていないために、研究者がせっかくあるデータを分析し、解析することができません。このことも要因の一つではないかと私は考えています。
これまでのコロナ対策の効果を検証する上でも、コロナに関する膨大な情報を匿名化した後に公開することは、結果として、私たち国民のためになることなのではないでしょうか。
【幻冬舎ゴールドオンライン 配信】
急に寒さが強くなってきた感がありますが皆様いかがお過ごしでしょうか。今日は大変的を射た記事にお目にかかりましたので是非皆様にご紹介したいと思いここに取り上げることにしました。
基礎疾患のある人は
ワクチン接種で死亡する危険があるということでワクチン接種を行わない人も少なくなく、また一方では基礎疾患のある人は重症化しやすいので是非ともワクチンを接種すべきという人も多く、接種すべきという方が世界的なコンセンサスと理解はしているものの、重症化と基礎疾患との関係を教えてくれるデータが少なく、その意味では専門家の皆さんはなぜそれを積極的に世の中に公開しないのだろうかという思いは強いものがありました。
実は
それらの情報の前に「どういう形で感染したのか」ということが一番の関心事で、勿論知らない間に感染したというケースが多いとは思いますが、可能性として「もしかしたら・・・かも」という情報があってもおかしくはなく、仮にそのような情報であってもそこから分析すると何らかの傾向が導き出せることもあると思いますので、是非多くの情報が公開されることを望んでいます。
今まで「三密に気をつけて」ということが何度も繰り返し言われてきましたが、具体的にたとえば「狭い空間」での感染が多かったなどという情報が公開されている方がより効果的な感染対策につながるということに関しては誰にも異論はないものと思われます。
せっかく
色々な情報を聞き取り、記録しているにも関わらず、それがあまり感染対策に生かされていないということは大変残念なことであり、その原因を突き止めて改善することが重要であることに「議論の余地はない」と言っても過言ではないのではないでしょうか。
現在主流となっているウイルスは「オミクロン株」ということですが、これは(特にワクチンを接種した人は?)重症化する可能性が低いということで、この場合は「保健所を介さず、症状が出たら近くの病院に行って薬を処方してもらう」という従来のインフルエンザのような対応で良いとする意見が多く見られます。
いわゆる
「2類」問題ですが、『医療機関から保健所に届け出となり、多くの場合、保健所から急性期病院に入院を斡旋される』ということを続ける意味が果たしてあるのかどうかについても早急な判断がなされるべきだと思います。
急性期病院での負担増という問題がコロナ以外の患者の受け入れ減少という事態を惹き起しているようですし、軽症で使える治療薬が量産されているということでもありますので、インフルエンザ相当の対応への移行(料金面などの特例付きで?なども加味して)ということも機敏に検討・決定へと進んで欲しいと思っています。
いずれにしても
専門家が分析するにはデータの(匿名)公開が必要であり、国民の判断も専門家の分析結果に依存していることを考えると、データが公開されていないという現状には大きな疑問が残ります。
諸外国では「マスク不要の決定」などもくだされているようですし、諸外国との違いがあるのならそれを明確にするなりして、(現実の)実態に即した対応へと変えていく姿勢を貫くべきだ思いますが、いかがでしょうか。
参考情報:
- 日本人がコロナに延々翻弄され続ける残念な理由
- 脱マスクが進む米国とその兆しがまったく見えない日本 ── 2国間を往復して感じたこと[※この記事は削除されました]
- 上昌広医師が苦言、マスクのコロナ予防効果の低さを知らぬ日本人
- 超過死亡数がコロナ流行以降で最多 1~6月に国内で報告された死者数の予測値最大4.6万人超[※この記事は削除されました]