スウェーデンとフィンランドの加盟で…

『元米国防総省・NATO高官のジム・タウンゼント(Jim Townsend)によれば、スウェーデンとフィンランドは、陸、海、空、そして情報分野において、軍事的に多くのものをNATOにもたらすという。』との記事が公開されていました。


 

スウェーデンとフィンランドがNATOへの加盟に動き出した。数十年にわたる中立の立場を終わらせて加盟すれば、NATOのロシアとの国境を拡大し、NATOの戦闘力を強化することになる。

スウェーデンとフィンランドによる加盟の動きは、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対する大きな反発と見ることができる。プーチンは2月に、NATO拡大への懸念を理由にウクライナに侵攻した。

元米国防総省・NATO高官のジム・タウンゼント(Jim Townsend)によれば、スウェーデンとフィンランドは、陸、海、空、そして情報分野において、軍事的に多くのものをNATOにもたらすという。

例えば、フィンランド空軍はヨーロッパで最も強力な空軍の1つであると、タウンゼントはInsiderに語った。

「彼らはアメリカの最新兵器を搭載したF/A-18を運用してきた。そしてさらにF-35を購入しようとしている」と彼は言う。F-35はフィンランドが数十億ドルで購入しようとしているアメリカ製の第5世代ステルス戦闘機だ。

スウェーデンには国産のグリペン戦闘機があるが、この戦闘機は以前、スホーイを倒すのに有効だと主張していた。ロシア軍のスホーイ戦闘機はドッグファイトでの機敏な動きで有名だが、スウェーデンは自国の戦闘機の方が有利だと言っている。

「グリペン、特にE型はスホーイを倒すために設計されている。そこにアドバンテージがある」と、当時スウェーデン空軍の司令官だったマッツ・ヘルゲソン(Mats Helgesson)は、2019年の発表会でYleに語っている。特に、これらの機体は電子戦において輝くという。

一方、地上でも、フィンランドには約1500種類の砲兵システムを持つヨーロッパで最強の砲兵部隊がある。また、比較的大規模で効果的な徴兵制や予備役を維持している。2021年12月の世論調査では、フィンランド人男性の90%、女性の84%が「国を全力で守る覚悟がある」と答えており、これはヨーロッパでもトップクラスの数字である。

そして、タウンゼントは「北極圏での戦闘、雪の中での戦闘では、誰もフィンランド人に勝てない」と、フィンランド陸軍の有能さと、冬の戦争におけるフィンランドの歴史的な戦闘力の高さについて言及した。

さらに、スウェーデンもフィンランドも「非常に高度で近代的」な海軍を有していると述べた。

【Business Insider 配信】

いよいよ

両国のNATO加盟が決まりそうです。

今の国連での安全保障は全く機能していませんので、私はかねてから民主主義国家による拒否権のない(GDPに応じた発言権を有する)新国連の設立を望んでいましたが、安全保障面ではこのNATOが新国連軍の母体となって「現実的な発展的解消を遂げる」という選択肢があっても良いと思っていました。

アジアでも

オーストラリアや日本などが加盟して(その意味ではもはやNATOではなくなりますが)世界規模の国連軍へと様変わりするのが極めて良策だと思っています。

トルコでは両国の加盟に難色を示しているようですが、民族問題と対独裁国家との対応とは分けて考えるべきだと思います。

その意味では

「加盟にあたっては全加盟国の承認が必要」という縛りも、現国連における拒否権と同様に非現実的な決め事になってきているような気がします。

規模が小さな時と大きくなった時では様々な変更が必要になることは「実態に即す」上でのいわば常識とも言えます。

結局

私たちは「自由に生きる」という課題を巡って、これまでに様々な経験を積んできたと思います。

人は(人も?)「自由に生きたい」と願う生き物であり、それ故にこれまで多くの争いを何度も繰り返しながら、そのたびに大きな悲劇に苦しみながら、次第に安全保障の規模を拡大してきました。

安全保障という

意味ではその初期においては「独裁者による独裁政治」という形を取らざるを得ませんでしたが、多くの人の知恵により最終的には民主主義という考え方に辿り着きました。

今では「自由のためには民主主義が必要」という点で多くの人々の考えは一致しているものと思われますが、不幸にしてまだ独裁国家が存在しています。

この

独裁国家とは安全保障の在り方における発展途上にあるとも言えますが、歴史上の一つの変化によって独裁者(独裁党)が生み出されそれが長命を得たことがその原因かと思われます。

その結果、独裁者がより独裁制を強めなければ(取り巻きを含めた)自らの安全を担保できないが故に、より理不尽な選択へと傾斜せざるを得ない状況が生まれることになりましたが、これを止めるには独裁国家の軍事力を相対的に低下させる以外に方法はないと思います。

独裁者により

抑圧されている国民のためにも、より強力な軍事集団が必要であり、そのためにも新国連が望まれるところですが、まずは今回の両国のNATOへの加盟を契機に今後更に多くの加盟国を増やして結果的に強大な民主主義軍が構成されることを望んでいます。

そうすることで初めて各国が軍事力を強化する必要のない世界が実現できるものと思われますが、いかがでしょうか。

 

参考情報:

  • NATO機、ウクライナ領空飛行 西部国境から50キロ、偵察活動 英情報筋[※この記事は削除されました]
  • NATO加盟「同意せず」 トルコ、北欧2カ国に不満[※この記事は削除されました]