高齢者施設クラスター、必要な対策とは

『第6波の新規感染者数は減少傾向になっていますが、医療機関や高齢者施設のクラスターが多発しており、重症化・死亡する人が急増しています。現場では今何が起こっているのでしょうか。 』との報道がありました。


 

第6波の新規感染者数は減少傾向になっていますが、医療機関や高齢者施設のクラスターが多発しており、重症化・死亡する人が急増しています。
現場では今何が起こっているのでしょうか。

特に高齢者施設でクラスターが発生しやすい理由として、
・入居者は、特に認知症があると、「マスクの着用が難しい」「部屋にとどまることが難しい」などの場合がある
・介護者は必ずしも感染対策の訓練を受けているわけではない
・施設によっては構造的に感染対策が難しい
などが挙げられます。

例えば、認知症のためにマスクを着けることができない入居者に、新型コロナに感染をした無症状の職員がケアをすることで感染しているということが見受けられます。

入居者の中に感染者が出た場合も、現在の逼迫した医療体制では容易に入院することもできず、施設内での療養を余儀なくされますが、その場合に感染者からさらに周りに感染が広がってしまう、という悪循環が起こっています。特にオミクロン株では感染者が1人見つかった時点ですでに周りに広がってしまっているということが多々あります。

さらに、本来は診断された軽症の時点でモノクローナル抗体や抗ウイルス薬などの適切な治療を受けることで重症化を防ぐことができますが、病院での治療を受けることが困難であり、また高齢者施設内でそういった治療を適切なタイミングで実施するのは困難なことから、重症化していく入居者が増えていっています。

【ヤフーニュース 配信】

新型コロナウイルスの

感染状況がテレビなどでも毎日のように報道されていますが、中でも「高齢者施設でクラスターが発生しました」という報道は何度も繰り返されています。

そのような報道が頻繁になるたびに現実の高齢者施設では「外部との面会はできません」、「不要不急の外出は控えてください」などの注意喚起が頻繁に行われています。

しかし

日本政府が心から「国民が必要としている対策を実施する」というのであれば、単に「3密は避けてください」、「不要不急の外出は止めてください」といった呼びかけだけではなく、もっと具体的な、たとえば「どのような形でクラスターが発生したのか」ということについての情報や、今拡大中とされているオミクロン株では特にエアロゾル感染の危険性が高まっていると言われていますが、「エアロゾル感染ではどのように感染が起こるのか」ということについての情報をどんどん国民に開示する必要があると思います。

そうでなければ高齢者は(例えば同じ高齢者施設でも自分のことは全て自分でできる人がたくさん入居していますがその人達は)外出を恐れるあまり長い間部屋に閉じこもる生活をずっと続けざるを得ず、その結果不便で空虚な毎日にうんざりしていますし、何よりも足腰が急速に衰え歩行困難者になる可能性がどんどん高まっています。

そのような

ことに思い至りまして今回エアロゾル感染についての情報と高齢者施設でのクラスターの情報を調べてみました。

まずエアロゾル感染についてですが次のような情報がありました。

『英ブリストル大学のエアロゾル研究センターの調査によれば、新型コロナウイルスは吐き出された後間もなく感染力のほとんどを失い、長距離では伝染する可能性が低下する。』

『ウイルスの吐き出された後の動きをシミュレーションした同研究では、空中に浮遊してから20分後には、伝染する能力の90%を失う。感染力喪失の大半は空中に達してから最初の5分間で起こることが分かったという。』

これらの

情報からはエアロゾル感染(空中のウイルスによる感染という意味では空気感染と表現することもできますが従来の空気感染と呼ばれている感染とは明確に区別する必要があると思います)はそれほど恐れる必要はないことが分かります。

つまり「空中に吐き出されたウイルスは最初の5分間で感染力が喪失し、伝染能力は20分後にはその90%が失われる」というシミュレーション結果に従えば、マスクを装着(不織布)し、15分を超える1m以内の会話をできるだけ避け、【密室では】換気の励行を行うということで十分に感染を防げるということになります。

また

高齢者施設でのクラスターについては今回の報道でも伝えられていますが次の情報に注目していただきたいと思います。

『特に高齢者施設でクラスターが発生しやすい理由として、
・入居者は、特に認知症があると、「マスクの着用が難しい」「部屋にとどまることが難しい」などの場合がある
・介護者は必ずしも感染対策の訓練を受けているわけではない
・施設によっては構造的に感染対策が難しい
などが挙げられます。』

つまり多くのクラスターは「認知能力が低下している方のマスク着用が難しい」、「感染者の方の隔離が難しい」、「介護者が入居者と密に接することが多い」ということが主な原因として発生しているということで、その意味ではきちんとマスクを装着でき、密着せずに接することができればそれほど恐れる必要がないことになります。

新型コロナウイルスの

感染騒動も長期間に及んでいますが、3回目のワクチン接種は重症化を防ぐ効果が高いと言われていますのでできるだけ接種し、またマスク(不織布)の装着他、前記で指摘した対策を講じながら、(必要以上に恐れることはせず)できることは積極的に行う姿勢が大切だと思います。

そして政府のウイルス感染の専門家の皆さんには、できるだけ国民の皆さんの生活を豊かにするためにも、もっと感染状況を科学的に分析して特に「何が主たる感染原因(感染行動?)なのか」という情報を逐次発信していただきたいと思います。

 

参考情報: