新ウクライナ危機、プーチンの真意は

『2021年春以降、ロシア西部国境に大軍を集めて断続的にウクライナ情勢を緊張させているプーチン政権の「真意」が、ここにきて明らかになった。』とのことです。


 

NATO拡大に不信
2021年春以降、ロシア西部国境に大軍を集めて断続的にウクライナ情勢を緊張させているプーチン政権の「真意」が、ここにきて明らかになった。そもそもロシアが国内で軍事演習を行うことは自然だが、兵力が過去最大規模だったり、演習後に直ちに撤収しなかったりするのは不自然な動きだ。秋から冬にかけ、欧米は2014年に続くウクライナ侵攻もあり得るとみて、北大西洋条約機構(NATO)が黒海で演習を実施するなど厳戒態勢を敷いた。

この新たなウクライナ情勢、いわば「ウクライナ危機2.0」は、12月7日の米ロ首脳のオンライン会談で最大の議題となった。米メディアは「ロシアが年明けにもウクライナに侵攻する計画」と報じてきたが、ロシアはどうして緊張をあおるのか。21世紀に再び隣国の領土に手を伸ばそうとしているのか。こうした疑問に答えるには、ロシアの内在的論理をつぶさに見ていく必要がある。根底にあるのは、NATOの東方拡大を受けたプーチン大統領の積年の不信感だ。ロシアは「ウクライナとジョージアのNATO加盟方針の撤回」(12月10日付外務省声明)などを突き付けている。

【時事ドットコムニュース 配信】

報道では

『今回のロシア軍の集結はプーチン氏によるNATO不拡大への意思表示』ということが伝えられていますが、そもそもウクライナがNATOに加盟するかどうかはウクライナの問題であり、ロシアが不拡大を要請するということ自体が筋違いの行いだと思います。

報道中に『冷戦が終結してドイツが統一されるに際し、東西陣営間で「NATOは東方に拡大しない」という約束があったとされる。』との文言も記載されていますが、NATOとしては積極的に拡大要請をしない状況下で、ウクライナから加盟したいという要請があってそれを受け入れるということであるなら、約束を破ったことにもならないのではないでしょうか。

あくまでも

「加盟するもしないも」当事国(ウクライナ)に選択の自由があるのであり、たとえ隣国といえどもそれを他国のロシアが軍事力の一時的な結集という形で圧力を加えること自体が全くの異常な行動だと思います。

そもそもロシアが期待の持てる国であるならウクライナだってNATOに加盟したいとは思わない訳で、つまりは軍事力を使って圧力を加えるという行動が示すように正にそのような非民主主義的な手法こそがNATO拡大を促進しているとも言えます。

国際連合が

まともな機関なら今回のような異常な行動は国連自体の制御のもとで解決されるはずですが、当事国のロシアが拒否権を持っていることからしても今の国連では何ら安全保障としての機能を期待できないことは明らかです。

従って民主主義国だけの国連を設立してそこに人と資金と物資を集中すべきであり、それ以外に独裁国家の横暴を封じ込めることはできないと思います。

世界の

軍事力を比較したデータが公表されていますが、1位はアメリカ、2位はロシア、3位は中国、4位はインド、5位はフランス、6位は日本、7位は韓国、8位はイギリスということのようです。

今の所アメリカの軍事的優位は保たれていますが、5年後にはそれもどうなるか分からないということで、仮にアメリカの軍事的優位が失われたら新国連も難しくなることは想像に難くなく、その意味では早々に立ち上げるべきで、今回のウクライナ騒動(?)を契機に(危機意識の高まりがある時に)検討を開始するのが良いと思われます。

独裁国家の軍事力がより優位になる前に手を打たなければ世界の安全保障はより困難を極めることになると思いますが、いかがでしょうか。

 

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