コロナとさえ戦わない絶望の国ニッポン
『私は、日本に絶望した。第一に、コロナ危機はいまや日本だけだ。世界ではコロナ危機は過去のものとなり、いまだに苦しみ、先が見えていないのは、インドと日本だけだ。』という記事がありました。 |
<コロナ危機が始まって一年、既得権益との戦いも国民的な議論もなく、ただただ戦いから逃げてきた結果、日本は大変なことになっている>
私は、日本に絶望した。
第一に、コロナ危機はいまや日本だけだ。世界ではコロナ危機は過去のものとなり、いまだに苦しみ、先が見えていないのは、インドと日本だけだ。
第二に、オリンピックなどという不要不急、重要性の低いイベントに国が囚われてしまっている。物事の優先順位がつけられない国は、普通は、滅亡する。歴史においてはそうだった。
第三に、専門家も政治家も嘘ばかり付いている。意図的な嘘なのか、物事をあまりに知らなくて間違っているだけなのか、よくわからないが、いずれにせよ、当たり前のことすらまったくわかっていない。間違ったことを言い続けている。
誰も何もやる気がない
第一の点は、3つに分けられる。1)コロナ対策そのものが最悪だし、2)医療体制は整っているはずなのに、実効性が低く、3)コロナ危機の程度が軽いにもかかわらず、経済への悪影響は、世界最高水準。悪い、悪い、悪いの三拍子だ。
日本のコロナ危機は、ワクチンの遅れと、イギリス型変異ウイルスが理由と思われているが、そうではない。変異ウイルスは世界中で発生しており、それは警戒が必要ではあるが、どの国も同じである。第二に、韓国でもワクチン接種は欧米よりも遅れている。当たり前だ。欧米の新型コロナによる死者と東アジアでの死者の数は比較にならず、緊急性の高い欧米、イスラエルで進んだだけで、感染者が少ない日本で、ワクチンが欧米よりも遅れるのは当たり前だ。
問題は、コロナ対策が、実際にはまったく何も行われていないことにある。
スマートフォンの感染者接触アプリCOCOAもデジタル庁もどこかに消えてしまい、保健所のDX(デジタルトランスフォーメーション)も導入したが、機能していない。検査も増えない。
医療の体制も混乱の極みだ。政府そしてとりわけ知事たちはこの1年、テレビに出る以外に何をしてきたのか。
医療体制が混乱しているのは、医療システムを社会全体のために動員する仕組みもやる気も存在しないからだ。とりわけ、やる気のほうが大きい。
病院と医師たちは、一部(せいぜい半分)の良心的で献身的な人々の善意、ボランティアに依存するばかりで、過半の病院と医師たちは新型コロナと無関係である。コロナに追われて手薄になった病院や医師たちをフォローする体制もないし、一肌も脱がないし、これをチャンスとばかり儲けようとして、結果的に社会に貢献することもない。
怪しいPCR検査、簡易検査の広告が出るぐらいで、触らぬウイルスに祟りなし、といった雰囲気だ。
【Newsweek 配信】
記事では
『問題は、コロナ対策が、実際にはまったく何も行われていないことにある』とかなり辛辣ですが、概ね的を射ているような気がします。
記事でもいくつか指摘されていますが、まず初めに行われるべきことは「無症状の感染者がいてこの感染者が他の人に感染させている」ということが分かった時点で、この無症状感染者対応を積極的に行うべきでした。
つまり
「PCR検査を誰でもいつでも無料でできるシステム」を構築して検査で陽性だった人を隔離すべきでしたが、これが驚くほど頑なに行われませんでした。
陽性の人を全て入院させるとたちまちベッド数が足りなくなることも予測されましたが、また一方で陽性になった後、自然と回復する人も少なくなく、その意味では必ずしも入院させずに隔離する方法を検討するといった対応がとられるべきだったと思いますし、実際諸外国ではそのような対応がとられていました。
次に行われるべきことは
医療体制の再編で、特に重症から回復した人を含めた中等症の患者の受入れ先を大幅に拡大すべきでしたがこれも未だに遅々として進んでいないようです。
他にもサービス業者には、英国のように「給与の70%を給付する」などの現実的な対応がとられるべきでしたが、結局は従来通りの細かい申請ルールをいくつも組み合わせるなどの対応であったため、申請手続きばかりが煩雑化し、自分がいくら受け取れるか、またいつ受け取れるかが曖昧なまま長期に渡って放置されました。
ワクチンについても
諸外国では例外的に審査を短縮して承認し、とにかく早い手配を心がけましたが、我が国では多くの国で承認されているのに未だに承認されていないワクチンもあります。
ワクチンは色々と副作用の問題が予測できますが、承認後に使用を停止することもできますので、よく分からない時点では敏速な対応をとるべきだったと思います。
仮に
日本で検証するにしても大幅な数(国民)による検証ができるはずもなく、結局は諸外国での結果を見ながらの承認ということになる訳で、それではあまりにも対応が遅すぎると思います。
感染症対策という点でも、初めは「飲食店などの営業時間の短縮」や「人数制限(5人ぐらいまでなど)」、「マスク会食」といった曖昧なものであり、最近では「人流を止める」といったおよそ対策という意味では的を絞ることを放棄したようなものになっていますが、本来は「飛沫を防ぐ」という観点に絞った対策、たとえば「飲食店では一人客に限る」、「飲食中の(あるいは他の場でのマスクを外した状態での)会話は禁止」、「狭い空間に複数の人が同席する場合はエアロゾル感染防止のための頻繁な空気の入れ替え」などを徹底することが大事だったと思います。
高齢者には
初めからかなりの恐怖心があり、昨年3月頃からは多くの人が外出を自粛していると思われますが、最近の「人流を止める」という自治体や医療関係者、マスコミの連呼により、まるで「空気感染」が生じているような心理状態にまで追い詰められている感があります。
これによって「必要な食料品の買い控え」や「必要な通院の延期」などが頻発して健康状態が悪化するようなことも予測できますが、連呼している当事者はこの責任をとれるのでしょうか。
仮に
「変異種」の感染力が多少強くても、まだまだ不明なことも多いようですので(決して空気感染している訳ではありませんので)、必要以上に自分を追い詰める必要はないと思います。
政府の対応につきましては初めは「大統領制でないために強力な政策が打てないのかも」という思いもありましたが、「英国は議院内閣制でも強力な手を打っています」ので、これはやはり日本の政治家の資質(やる気の問題)ということになるようです。
つまり
仮に戦争状態になったら自然と(与党も野党も)迅速で強力な対応をとることになると思われますので、逆に言えば今回の新形コロナウイルスの感染という事態を心底(戦争状態のような)非常事態とはとらえていなかったということになるようです。
「井の中の蛙大海を知らず」という言葉がありますが、諸外国の施策から学ぶべき事がたくさんあるような気がします。
今のように
「何も決められない政治」が今後も続くとすれば、国民にとっては大いに不幸な時代が続くということでもあります。
政治家がやる気になっても官僚が動かないということもあるようですが、それならそれを解決する仕組みを作るしかなく、とにかく「物事を迅速に決断して、強力に推進する行政の構築」こそが、今日本に必要な最優先課題だということが見えたような気がしますが、いかがでしょうか。
参考情報:
- COVID-19感染症について思うこと その4
- マスクを着用する前に覚えておきたい5つの数値
- コロナ対策、二重マスクの効果は正しく着けた不織布マスク1枚と同等/理研
- 仕組みや状況・対策は …… 新型コロナの変異ウイルスとは?いま分かっていること[※この記事は削除されました]