PCR論争がこじれまくった根本理由

以下↓のような報道がありました。
『日本は、新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査の実施数が諸外国に比べて格段に少ない。その理由について、政府の専門家会議が分析し、公表。東京都医師会主導の改善策もスタートした。』

『しかし、どうもわからない。必要なのか、なぜ必要かという基本的考え方からして、いまだに混乱している。公衆衛生、医療分野の法律に詳しい北海道大学の吉田邦彦教授は「法制度の仕組みが新型コロナウイルスによる感染拡大にマッチしていない」と指摘する。』


 

日本は、新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査の実施数が諸外国に比べて格段に少ない。その理由について、政府の専門家会議が分析し、公表。東京都医師会主導の改善策もスタートした。

しかし、どうもわからない。必要なのか、なぜ必要かという基本的考え方からして、いまだに混乱している。公衆衛生、医療分野の法律に詳しい北海道大学の吉田邦彦教授は「法制度の仕組みが新型コロナウイルスによる感染拡大にマッチしていない」と指摘する。

――その仕組み(=行政検査)に問題があるのですか。
新型コロナウイルスは、非常に感染力が強く、感染が速い。簡単にうつってしまう。潜伏期間はインフルエンザよりも長いかもしれませんが、症状が出てから急速に悪化、重症化することがある。これまでの感染症、例えばSARS(重症急性呼吸器症候群)より多くの人に感染してしまう。そうして保健所で対処できるキャパシティーを超えて感染が広がってしまった。

保健所が検査して、検体を衛生研究所に送って結果を待つということが、追いつかなくなってしまいました。

――PCR検査拡充はなぜ必要なのですか。
検査して、感染者をトレースして、隔離、社会的距離を置いて、経済活動を確保することが重要です。検査をして誰が感染者なのか把握する。

韓国では、感染者自身と、濃密に接触した人を特定し、携帯電話の位置情報やクレジットカードなどの記録を利用して移動経路を確認し、データの一部は匿名で公開しています。イスラエルも検査拡充を進め、国防省が各種検査技術を開発している。韓国、イスラエルは現時点で、死者を200人台に抑えています。

検査拡充による感染実態把握ができないと、全員で自宅に引きこもる対策をとるしかなくなります。これは、わが国では一般的な対策ですが、最も原始的で経済損失が大きいのです。より積極的な対策が望まれます。市中感染をコントロールできないと、ステイ・ホームの効果も減殺されてしまいます。

【東洋経済ONLINE 配信】

全国で

新たに 771 人の感染が確認され、入院患者は 1 千人超えになったそうです。

感染者の拡大についてはいろいろなコメントが寄せられており、中には「以前に比べるとまだ少ない方だ」というものもみられます。

これは

「以前に比べて検査対象を広げているので当然感染者数は多くなるが、重症者数などを見る限り以前より悪くなっているとは言えない」というものですが、ではこのままで良いのかと言えば、やはりそうではないと思われます。

それは以前に比べると、高齢者や持病のある人は自らの安全を考えて、極力人との接触を減らしていることで重症者数がそれほど増加していないものと思われるからです。

つまり

今の状況は若者世代の感染が多く、その結果無症状や軽症の感染者が多いようですが、やがてはこの親世代( 50 ~ 60 代)が濃厚接触者となって感染が広がり、そして更には彼らの親世代( 70 ~ 80 代)が濃厚接触者となって感染が広がることが懸念されるからです。

新型コロナウイルスの特徴とされる「無症状感染者」や「エアロゾル感染」ということを考えた時、話しながらの飲食の場に感染者がいる場合は感染する可能性が高まることが予測されますが、結局その対象は濃厚接触者ということになりますので、親世代への感染はある種の自然な流れとも言えます。

それを防ぐには、

(ワクチンの開発が行われるまでは)PCR検査を大幅に増やして、感染者を隔離する以外に方法はないものと思われます。

しかし今回の報道にもみられるようにPCR検査はそれほど増えてはいないようで、これには「自民党政権のやる気の無さによるもの」との批判も少なくはないようです。

「感染症法による行政検査」が障害になっているのであれば新たな法律を作って適用すれば良いし、「医師が必要と判断すれば、直接、民間検査機関に検査を発注できる」ための自治体との委託契約の条件が厳しいのであればそれを緩和すれば良いし、資金が足りないのなら提供すれば良いのではないでしょうか。

つまりは

「政治が真剣に新型コロナウイルスと対峙」すれば良いだけだと思います。それができないとすれば国民としては「無能な政権?」に固執せず、それができる政党に政権を託すべきだと思います。

「無症状感染者」がいて「エアロゾル感染」の可能性がある限りは、感染者の隔離が基本で、そのためにはPCR検査の拡充(いつでも-どこでも-安価に検査できる体制)が必要であり、それなくしては経済的活動への制限はいつまでも続くものと思われます。

仮に

「エアロゾル感染」を抑えることで、大幅に感染者が減少する可能性があるのであれば、これを防ぐ安全な散布薬の開発・承認を急ぐことも併せて行われるべきかも知れません。

やがて「高齢者や持病を持つ人々への感染へと広がる事態」ともなれば、病院や買い物にも行けなくなります。そうならないためにも早めの対応が待ったなしだと思いますが、いかがでしょうか。

 

 

参考情報: