“Go Toキャンペーン”の愚

『先月19日、全国的な移動の自粛が解除され、経済活動が再開されて以降、しばらく感染者がゼロだった地方で、再び感染が目立つようになった。解除当日、56人だった国内の新規感染者数は9日、355人まで増え、300人を超えるのは5月2日以来のことだ。』とのことです。


 

10日に過去最多となる243人の新規感染者が確認された都内の新型コロナウイルス感染拡大に、全国の観光地住民も戦々恐々だろう。 今月4日、山形県で60日ぶりに20代男性の感染が確認されたことを受け、吉村知事は「第2波が来たという意識を持って対応したい。(東京都の感染確認が)毎日100人以上というのは地方から見れば脅威。東京都や政府には、地方に移動する際の配慮を検討してもらいたい」と注文をつけた。男性は6月29日に山形県を訪れた東京の友人と一緒に行動し、友人も陽性反応が出た。

また新潟県でも同4日、20代の外国籍男性の感染が判明。男性は感染が確認された知人と東京で会った後、先月30日、新幹線で新潟に戻っていた。 先月19日、全国的な移動の自粛が解除され、経済活動が再開されて以降、しばらく感染者がゼロだった地方で、再び感染が目立つようになった。解除当日、56人だった国内の新規感染者数は9日、355人まで増え、300人を超えるのは5月2日以来のことだ。

国は消費が落ち込んだ地域経済を活性化させるため、「Go To キャンペーン」を実施する。1次補正予算から1兆6794億円を計上し、かつてない規模の旅行商品の割引による観光需要喚起を行う。キャンペーンの柱のひとつ「Go To Travel キャンペーン」は旅行代金の半分(上限1泊当たり1人2万円)のクーポンを付与するというもの。赤羽国交大臣は10日の会見で、今月22日から開始すると発表した。 国交省観光庁総務課の担当者は8日、「8月上旬ごろから実施する予定で準備を進めています。西村コロナ担当相も『県をまたいでの移動は自由です』と言っていますから。開始をいつにするか、発表する時期も決まっていません。事業者からは早く始めて欲しいという声は多い」と説明していたから、急きょ前倒しした格好だ。

【日刊ゲンダイDIGITAL 配信】

相変わらず

政府の施策は穴だらけという感じがしますが、いかがでしょうか。

新型コロナウイルスの影響で「経済死」という側面も看過できない状況にあることは理解できますが、だからといって単に移動を奨励するという施策だけでは不十分だと思います。

やはり

PCR検査の常態化 1 とセットで行われるべきだと思います。

今一番感染者の多い都心部から地方に移動する場合は特にそうですが、前もって、自分が少なくとも今現在は感染者でないということを確認してから移動すべきで、そのような体制ができ上がっていて初めて感染拡大を防ぐことができるものと思われます。

感染しても

軽症の場合が多いということが言われていますが、人によっては重篤な状態を引き起こすことも知られていますので、少なくとも「自分が今感染していないということを確認してから移動するということ」は最低限のマナーと言っても過言ではないと思います。

国民がそのように行動するにはそれなりの体制が必要であり、「検査所が気軽に行ける場所にあること、行けばすぐに検査してもらえること、検査費用が大きな負担にならないこと、検査結果にあまり時間がかからないこと」、などの条件が整わなければなりません。

そのための

費用が用意されていなければ、そのような体制も絵にかいた餅となりますので、Go Toキャンペーンとして用意された資金の中からそれらに充てられるべきものと思われます。

これは移動中や移動後の体調変化ということもありますので、全国的にこのような検査体制が必要になるということも考慮に入れた上で、まずはそれらがセットになってから運用されるべきで、そうでなければそれまでは待つべきだと思います。

既に知られていることですが、

「無症状感染者が感染させ得るということ、エアロゾル感染の可能性があるということ、決定的な治療薬がないということ」、これらを考えると感染者が日ごとに増加している状況(現状)から、やがては重篤者の大幅増加という結末へと向かうことは容易に想像がつきます。

国をあげての施策であるならば、そのような多くのことに配慮したものであるべきで、そうでなければ先々での混乱を防止することはできません。

今からでも遅くはないので、その点を十分に考慮していただきたいと思います。

 

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