カズ・ヒロ氏 日本は夢難しい

『カズ・ヒロさんは授賞式後の会見で、日本の経験が受賞に生きたかを問われ、「こう言うのは申し訳ないのだが、私は日本を去って、米国人になった。(日本の)文化が嫌になってしまい、夢をかなえるのが難しいからだ。それで(今は)ここに住んでいる。ごめんなさい」と語った。』そうです。


 

米映画界の祭典、第92回アカデミー賞の授賞式が9日、ハリウッドで開かれた。注目されている韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が、最高の栄誉である作品賞を受賞し、史上初めて、英語以外の外国語映画が同賞を受賞した。国際映画賞(旧・外国語映画賞)、脚本賞も受賞し、監督賞もポン・ジュノ監督が獲得して、4冠を達成した。また、米映画「スキャンダル」で日本出身のカズ・ヒロ(辻一弘)さんが、メーキャップ賞を受賞し、2018年以来、2度目の受賞となった。

カズ・ヒロさんは授賞式後の会見で、日本の経験が受賞に生きたかを問われ、「こう言うのは申し訳ないのだが、私は日本を去って、米国人になった。(日本の)文化が嫌になってしまい、夢をかなえるのが難しいからだ。それで(今は)ここに住んでいる。ごめんなさい」と語った。

カズ・ヒロさんは18年、「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」でメーキャップ賞を受賞していた。

【朝日新聞デジタル 配信】

日本出身の

カズ・ヒロ(辻一弘)さんが日本の経験が受賞に生きたかを問われて『私は日本を去って、米国人になった。(日本の)文化が嫌になってしまい、夢をかなえるのが難しいからだ。』と言ったそうですが、分かるような気がします。

日本は「下請け制度」の国と言っても過言ではなく、いわゆる大手や大御所を頂点にして、それを出し抜けないような仕組みが作られる傾向が強い国だと思います。

以前にも

紹介しましたが、その大手企業はIT企業に作業を依頼する際、優秀な技術者のいるIT企業も、それ以外のIT企業も同等に扱うことで、全体としての外注費用を抑えようとしていました。

つまり優秀な技術者のいる企業を評価して、その企業にどんどん作業を任せると、その企業は次第に大きくなっていき、やがてその企業は他のいろいろな企業の要望に応えることが可能になります。

そうすると結果的に自社への作業が優先されなくなり、また対価の値上げという要求が生じやすくなります。

要するに

いつまでも安価な仕事を続けさせるために、優秀な企業があっても特別扱いせずに均等に扱うことで、その企業の成長を抑え、成長の対価としての値上げという要求を封じる手法をとっている訳です。

これでは「夢がかなう国」とは言えません。

今の状況を俯瞰すると、

『たとえ優秀な企業が生まれたとしても、その成長が抑えられるため、日本における全体的な技術水準の向上がみられなくなり、結果としてその相乗効果による企業間の成長が阻害され、国全体としての技術力の相対的低下傾向を生み出している』と言っても過言ではなく、既にそのような状況が多くの分野で現実に起こっているような気がします。

『優秀な(技術者がいる)企業がどんどん仕事を受注し、どんどん大きくなってその存在感を増し、その企業の協力を得て、他の企業も成長を続ける』、そんな夢のある国にするには、悪しき「下請け制度」を強制的に排除するような「法律」を作る必要があるのかも知れません。

結局、

優秀な政治家の登場を待つしかないようですが、では現在、そのような優秀な政治家を生み出す仕組みができているのでしょうか。

政治家の秘書を長年続け、その功績により選挙基盤(支持基盤)を禅譲されて立候補するという仕組みに、悪しき「下請け制度」的な匂いを感じるのは、私だけでしょうか。