フェローテック、韓国子会社の事業撤退

『半導体関連製品大手、フェローテックホールディングスは16日、韓国連結子会社、フェローテック・アドバンスト・マテリアルズ・コリア(FTAK)が半導体製造装置の部品などに使われるCVD-SiC(炭化ケイ素)製品の開発・製造・販売事業から撤退することを取締役会で決定した』という発表がありました。


 

半導体関連製品大手、フェローテックホールディングスは16日、韓国連結子会社、フェローテック・アドバンスト・マテリアルズ・コリア(FTAK)が半導体製造装置の部品などに使われるCVD-SiC(炭化ケイ素)製品の開発・製造・販売事業から撤退することを取締役会で決定したと発表した

FTAKをめぐっては、元従業員3人が今年2月、不正競争防止および営業機密保護に関する法律違反の罪で韓国検察当局に起訴された。フェローテックは「昨今の韓国における日系企業に対する司法判断などを鑑みた場合、司法判断の独立性が完全に担保されない懸念があり、潜在的なリスクを現段階で最小化することが最も適切と判断した」と説明した。

韓国最高裁は昨年10月以降、元徴用工らの訴訟で日本企業に賠償を命じる判決を下し、日韓関係が悪化しており、進出企業の事業継続に影響を与えた形だ。事業撤退により4億~6億円の損失が見込まれるという。ただ、「FTAKで他の事業を行うことを検討している」としている。

【時事ドットコムニュース 配信】

フェローテックホールディングスは

1980年(昭和55年)9月に東京都港区に「コンピュータシール、真空シール、磁性流体の輸入販売」を目的として設立した会社で、現在の資本金は176億 11百万円で従業員は80名とのことです。

グループ会社には株式会社フェローテックなど5社が名を連ね、海外の拠点も中国、アジア、米国、ヨーロッパに展開しているとのことです。

報道によりますと、

『フェローテックは「昨今の韓国における日系企業に対する司法判断などを鑑みた場合、司法判断の独立性が完全に担保されない懸念があり、潜在的なリスクを現段階で最小化することが最も適切と判断した」と説明した』そうですが、当然の判断だと思われます。

本来は三権分立により過度の行き過ぎを是正する仕組みができているはずですが、国の意向が司法の独立性を歪めているという懸念が強まり、危機感を覚えた結果の判断ということのようです。

国の意向に沿った人が

司法の場に送り込まれることが可能であり、正にそれ故に司法の独立性への懸念が深まっているものと推察できますが、かなり前に国同士で決着のついた問題を突然蒸し返され、それによって賠償を強いられるという事態は、企業にとっては大きな不安材料であり、放置するには大きすぎる脅威とも言えます。

その意味では今後、多くの企業が同様の判断を迫られるものと思われますが、やはりこの事態は民主主義の変質を示すものであり、つまりは企業が業務に専念できない環境下にあることを示すものだと思います。

日本では

『最高裁判所長官は内閣の指名に基づき、国事行為として天皇が任命する』という仕組みになっているようですが、その意味では行政と司法の癒着につながる恐れがないとは言えないので、指名などは廃止して司法の場で選ばれて任命されるべきだと思います。

今回の報道では「国の意向により独立性が脅かされた司法」という側面を伝えているものと思われますが、同時に「司法の暴走とそれを統治できない行政」という側面についても示唆しているような気がします。

三権分立により

権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障するという意味では、この三権分立は民主主義の根幹とも言えますが、今回の報道では「三権のどれかが沈黙することもある」ということを教えてくれたと言っても、過言ではないのではないでしょうか。