天皇在位30年式典、共産党は不参加

共産党の穀田恵二国対委員長は20日の記者会見で、政府が主催して24日に行われる天皇陛下在位30年記念式典に党として参加しない方針を明らかにしたそうです。


 

共産党の穀田恵二国対委員長は20日の記者会見で、政府が主催して24日に行われる天皇陛下在位30年記念式典に党として参加しない方針を明らかにした。政府から出席の打診があったが断ったという。

穀田氏は理由について「天皇の政治的な利用が背景にあると感じざるを得ない」と説明。そのうえで「私たちは退位には賛成した。淡々と対応していくことが望ましい」と述べた。

【毎日新聞 配信】

天皇制には

賛否両論あり、また歴史上、天皇の名のもとに多くの争い事が行われてきたことも言い伝えられています。

過去のさまざまな争い事をみると、何らかの形で天皇が関与していることが分かりますが、大昔は天皇自らが直接関与することがあったにしても、歴史上の多くの争い事は天皇が政治に利用されたことに起因しているものと思われます。

つまり

多くの場合は天皇自らというよりは、天皇を政治利用する集団が争い事に天皇を担ぎ上げたと考える方が自然だと思います。

先の第二次世界大戦についても、さまざまな所で当時の様子が伝えられていますが、昭和天皇は英国の王室の考え方である「立憲君主制」に基づいて行動したものと推測できます。

その証拠に何度も「それで良いのか」と疑問の言葉を述べていますが、この問いかけこそ正に「立憲君主制」を証明するものだと思います。

そして

当時の政治体制(軍幹部)は本土決戦を唱えるも、結局は天皇の終戦の意思が通り戦争が終わったようですが、このとき初めて「立憲君主」というよりは「絶対君主」という選択をしたものと考えられます。

皮肉にも「立憲君主」より「絶対君主」という選択によって平和への道が築かれたことは、天皇の在り方より周囲の政治家(軍人)の在り方こそが問われる一つの事例を提供しているものと思われます。

それらを勘案すると、

今回の報道にある共産党の考え方は、あまりにも頑なで、的を射た選択とは思えません。

「天皇の政治的な利用が背景にあると感じざるを得ない」という説明がありますが、国の象徴としての活動に終始された天皇の在位30年記念式典に参列しない理由としては甚だ疑問に思います。

かっては

天皇の権威がさまざまな「まつりごと」に利用されてきましたが、現在ではその兆候を感じる事例は全く無く、むしろ時代の変遷をみながらも頑なに過去に拘る共産党の姿勢には大きな違和感すら感じます。

仮に「この党が政権をとったら日本の政治はどうなるのだろうか」という不安を抱く国民の方が多いのではないでしょうか。

「過去は過去、今は今」という気持も大切で、時代の変化を敏感にとらえて行う「まつりごと」こそが、より国民のための政治と言えるような気がしますが、いかがでしょうか。