「身元保証」 民間サービス広がる

身寄りがないため身元保証人を確保できず、医療機関や介護施設に入院・入所できない恐れがある人に、身元保証を代行する民間サービスが広がっているそうです。


 

身寄りがないため身元保証人を確保できず、医療機関や介護施設に入院・入所できない恐れがある人に、身元保証を代行する民間サービスが広がっている。単身高齢者の増加でニーズが高まり、国の調査では100事業者ほどが参入しているという。一方、有料のため利用できない低所得者もおり、識者には公的な支援制度を設けて官民で救済するよう求める声もある。

昨年末、福岡市の有料老人ホーム。ここで暮らす太田正治さん(74)の部屋を、身元保証サービスを提供する一般社団法人「えにしの会」(同市)の職員が訪れた。月2回程度の定期訪問の日。職員が体調を聞き取り、外出にも同行した。

太田さんは2016年5月、サービスの利用を始めた。離婚し、きょうだいも高齢で身元保証人になれなかった。会が代行し、同8月にホームに入所できた。

18年に大動脈瘤(りゅう)の手術をした際は、会の職員を交えて医師と治療方針を話し合った。十数時間の手術中、ずっと職員が立ち会った。持ち家を売却する手続きも会が担ったという。

会は12年に発足し、全国11カ所に事業所を構える。利用者は入会金5万円と月会費3千円、身元保証サービス費25万円を支払うと、入院・入所時に保証人を代行してもらえる。他にも有料メニューで、緊急入院時や手術の立ち会い、日常生活の支援などを受けられる。身元保証の利用は17年度、会発足時の6倍の約300人に増えた。

救いを求めるのは単身高齢者だけではない。夫の家庭内暴力に苦しむ高齢の妻や、子どもから年金を奪われる人の身元保証人となり、高齢者施設への転居を橋渡しすることもある。

福岡事業所長の笠井久仁彦さん(47)は「身寄りのない人が、個人で入院などに備えるのは限界がある。親族がいても遠縁だと、『迷惑を掛けるから』と利用する人もいる」と語る。

【西日本新聞 配信】

単身高齢者の場合は、

医療機関への入院や介護施設への入所だけではなく、通常の住居の賃貸契約などにおいてもニーズがあるものと思われますので、このような身元保証サービスは今後ますます増えるような気がします。

今回報道の例では入会金5万円と月会費3千円、身元保証サービス費25万円を支払うと、入院・入所時に保証人を代行してもらえるとのことですが、料金の良し悪しについてはともかく、大きく初回登録料と年間保証料、契約更新料などの事務管理費に分けられるようです。

契約通りの

支払いができている限り、また支払いが一時的に滞ったとしても、支払能力がある限りその保証費用は事務管理費程度で済むと思われますので、一般的な考え方から大きく外れるような運営をしている企業への行政による監視を怠らないようにして欲しいと思います。

そのためには何か問題が発生した場合、その相談に適切に応じる仕組みが大切で、行政によるおざなりな対応や指導面における踏み込み不足などのないよう、くれぐれもお願いしたいと思います。

今後

このようなサービスが増えると様々な企業が参入し、時には偽装倒産などにより多くの被害者が出ることも考えられます。

できれば地方自治体によるサービスが好ましいと思いますが、民間企業が行う場合は勝手な振る舞いができないような仕組みが必要になると思いますので、関係者の皆様の英知に大いに期待したいと思います。