消費増税 対策9項目 政府骨格
政府は26日、来年10月の消費税率10%への引き上げに合わせた経済対策の骨格をまとめたそうです。 |
『消費増税 ポイント還元、商品券など対策9項目 政府骨格』
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政府は26日、来年10月の消費税率10%への引き上げに合わせた経済対策の骨格をまとめた。キャッシュレス決済時のポイント還元制度や、低所得層や子育て世帯へのプレミアム付き商品券、防災・減災のためのインフラ整備など全9項目で構成。年末の2019年度当初予算案の編成までに詳細を詰める。
同日政府が開いた経済財政諮問会議、未来投資会議などの合同会議で示した。
対策の柱となるキャッシュレス決済のポイント還元制度は、安倍晋三首相が22日、還元率を5%とするよう検討を指示している。実施期間は、増税する来年10月から東京五輪・パラリンピック開催前の20年6月までの9カ月間とする方針だ。中小店舗で、クレジットカードやQRコード、電子マネーなど現金以外の決済手段を使って買い物をした場合、消費者に決済額の5%をポイント還元する。還元分の費用は政府が補助し、小売業者が決済端末を導入する費用も2分の1以上を国が補助する。還元率が5%なら、消費者は事実上、現在の8%よりも安い税率で買い物ができることになる。
プレミアム付き商品券は、購入できる世帯を住民税非課税世帯(年収256万円未満)の低所得層と、0~2歳児を持つ子育て世帯とする。2万円で額面2万5000円の商品券を買えるようにして、商品券が使える店舗に制限は設けない方針だ。
【毎日新聞 配信】
報道を見る限り、
消費税率が10%への引き上げられる来年10月から、暫くの間(9カ月間)、消費が低下しなければそれで良しということのようです。
また来年6月~7月には参議院選挙が行われますが、その戦いを有利にするために還元率5%という指示をしているようにも思われます。
いずれにしても
低所得者にとってみれば、消費税を含めた金額が消費予定金額になるため、9カ月過ぎれば消費税を除いた消費金額は確実に減少し、その結果、所得が増えない限り景気は必ず悪くなります。
ちなみに手取りで年収200万円~250万円の人が低所得者に該当するそうで、仮に300万円以下が低所得者とすると割合はかなり多くなり、労働人口の4割以上の人たちが該当するというデータも公開されています。
単純に言えば、
技術革新により生産性が向上し、少ない経費で多くの生産が可能になっており、従って経費として支払われた給与ではそれらの生産物を全て消費することはできません。
つまり同じお金の量でより多くの生産物ができるということは、それだけお金の価値が上がっている訳ですが、1万円が2万円にはならないので、その分、国がお金を印刷して流通させるべきです。
そうすることで初めて全ての生産物が消費でき、企業に利益が生れ、それを元手に更に高度な再生産が繰り返されることになりますが、政府はむしろ逆に消費税増税という正反対のことをして再生産を妨害しているとも言えます。
また
日本の消費税率は諸外国に比べて低いと言われていますが、これについても大きな誤解があるようです。
つまり単に消費税率だけを見て比較することは実情を反映しているとは言えず、実情を反映するためには国民負担率(=租税負担率+社会保障負担率)を考慮すべきだという考え方もあります。
私達は
消費税だけではなく所得税も納め、厚生年金や健康保険料も納めており、つまりはそれらを全てひっくるめて比較しなければ正しい比較はできません。
仮に消費税率だけを見ると低くても、所得税や社会保障費が高ければ、消費税を上げる根拠にはならない訳で、そのような総合的な比較データを用いて判断されるべきだと思います。
その意味では
「対GDP比での国民負担率」で比較するのが最も実情を反映した結果となるようで、次のような結果が公表されています。
- 日本(2016年度):32.7%
- 日本(2013年度):31.0%
- アメリカ(2013年):26.1%
- イギリス(2013年):34.2%
- ドイツ(2013年):39.1%
- スウェーデン(2013年):36.7%
- フランス(2013年):47.3%
この国民負担率を見ると
消費税増税が本当に必要なのか大変疑わしいと言えますが、納得のいく政府の説明はなかったようです。
もしこのデータが適切なものであるなら方針転換に値すると言っても過言ではないと思われますので、十分な検討がなされることを期待したいと思います。