南海トラフ 高台事前移転申請ゼロ

東日本大震災を受け、南海トラフ巨大地震で津波被害が想定される関東から九州の139市町村を対象に国が導入した特例を活用し、公共施設と住宅を事前に高台に移す防災集団移転促進事業(防集)の適用を申請した自治体が、まだ一つもないことが内閣府への取材で明らかになったそうです。

『南海トラフ 高台事前移転申請ゼロ 139市町村』

https://mainichi.jp/articles/20180309/k00/00m/040/086000c
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東日本大震災を受け、南海トラフ巨大地震で津波被害が想定される関東から九州の139市町村を対象に国が導入した特例を活用し、公共施設と住宅を事前に高台に移す防災集団移転促進事業(防集)の適用を申請した自治体が、まだ一つもないことが内閣府への取材で明らかになった。住民の合意形成が難しいほか、住宅建設の負担が大きいのが主な要因だ。一方、この事業の適用をあきらめ、独自で高台移転を進める住民が出始めている。

この事業は地震や崖崩れで被災した住民の土地を市町村が買い取る代わりに、安全な場所に宅地を整備し集団で移転してもらうのが目的。10戸以上が対象で、国は自治体による土地の買い取りと宅地造成費に4分の3を補助するほか、住民が自宅を購入する際の利子や引っ越し代も補助する。

国は2014年、南海トラフ地震対策特別措置法で津波被害が予想される139市町村を「津波避難対策特別強化地域」に指定し、特例で移転促進事業の費用の補助を拡充した。自治体が学校や病院なども一緒に移転する場合は、その用地取得費の4分の3を国が補助することなどを盛り込んだ。

だが、元の居住地一帯は住宅が新築できなくなる災害危険区域に指定されることや、住宅購入への支援も限定的なため、事業の活用は進んでいない。毎日新聞のまとめでは、139市町村のうち5市町が事業の申請を検討したが、3市町は一度、断念した。和歌山県の串本町と古座川町は検討中としているが、具体的なめどは立っていない。

【毎日新聞 配信】

東日本大震災の

被災地でも、高い防波堤を築いたり高台に移転したりといった事例が報告されていますが、このような方策に対する被災者やその関係者の評価は賛否両論あるようです。

否定的な意見の中の比較的大きな理由としては、津波の高さへの不安や不信、あるいは負担すべき費用の問題などが考えられます。

つまり

予想を越える津波がこないという確信はなく、「もしとてつもない津波に襲われたらその程度の高台ではもたないのではないか」という不安感や、逆に「そこまでは大きな津波は今後何十年もこないだろう」という不信感、「とても現実的に負担できる費用ではない」という財政面での問題などがあるのだと思います。

よくテレビの報道でも港町の風景が映し出されますが、海のそばに家が密集しているのが良く分かります。

それを見た時に思うことは、

高台に移転したり、前が全く見えないほどの高い防波堤を築くことではなく、避難道路の整備や増設こそが大事なことなのではないかということです。

つまり日本中の津波被害が予測できる危険な場所を全て高台に移転することは難しいことですし、その高さだと絶対に安全だと断定できるものでもなく、更には防波堤の高さも必ずしも安全が保証されているものでもありません。

そのように

不確かなものに費用をかけるのではなく、危険の連絡と道路網の整備という確かなものに徹底的に費用をかけるべきだと思います。

津波が来ることがまず警報として発せられれば、通常なら津波がくるまではそこからしばらくは時間があるもので、その間にいかに車などで遠くまで避難できるかということに尽きると思います。

警報が発せられて

車で遠くまで避難しようとした時に渋滞が発生したら、結局は走ったり、歩いたりして避難することになりますが、それだと間に合わない可能性が高くなります。

それをなくすためには道の幅を拡張したり、港から離れた地点まで行くための複数経路を確保したり、とにかくいざという時に多くの車で逃げることを想定した、止まらないで運転し続けることのできる道路環境作りに力をいれるべきだと思います。

そして逃げ遅れた人の最後の手段として、避難塔のような倒れにくい鉄塔を適度な所に適度な数分設置することを提案したいと思います。

最後に、

これは以前東日本大震災が起こった時に思ったことですが、「被災者救出船」の設置ということについて改めて提案したいと思います。

不幸にして災害に見舞われた人々にとって、災害発生時から10日間程は大変な苦労を強いられますので、都道府県単位に「被災者救出船」を確保し、そこに食料を初めとする生活環境を設置し、また医療環境や通信環境も設置するなどして、数千人単位の被災者がそこでしばらく生活できるようにすべきだと思います。

船の建造費は

古くなった客船を利用するなどして安価なものにし、維持費は「都道府県で運営する観光船」のような形で捻出したり、アーチストのボランティア活動による収入を充てたりすることで、確保できるのではないでしょうか。

災害のたびに被災者が、長い間公民館や学校で生活する気の毒な光景をこれまで何度も目にしてきましたが、この辺で抜本的な災害対策を講じるべきだと思いますが、いかがでしょうか。