中露を増長させてしまった米国

米国防総省が1月19日、10年ぶりに「国防戦略(NDS)」を発表したようです。

『テロとの戦いの間、中露を増長させてしまった米国』

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米国防総省は1月19日、10年ぶりに「国防戦略(NDS)」を発表した。今回のNDSは、中露を名指ししつつ「今や安全保障上の関心事はテロではなく国家間の戦略的競争である」と明確に記述し、注目を浴びた。

中国は、南シナ海の地形を軍事化しつつ近隣国を略奪的経済手段で脅迫している、戦略的競争相手である。ロシアは、近隣国の国境を侵し、近隣国の経済、外交、安全保障上の決定に拒否権を獲得しようとしている。国連による非難、制裁にも拘わらず、北朝鮮の無法な行為と向こう見ずなレトリックは続いている。イランは、暴力の種をまき続け、中東の安定にとり最大の脅威となっている。ISISは、物理的なカリフ国としては打倒されたが、テロ組織としては存続している。

より殺傷力の高い、弾力性のある、革新的な統合軍が、強固な同盟・パートナーと相まって、米国の影響力を維持し、自由でオープンな国際秩序を守るのに好ましいパワー・バランスを保証することになろう。我々の軍の態勢、同盟およびパートナーシップの構造、国防総省の近代化が相まって、紛争における優位と力を通じた平和の維持に必要な能力を提供するだろう。

【WEDGE Infinity 配信】

単純に考えて

一党独裁の国(中国)や、大統領の在籍年数が14年となるような国(ロシア)は民主主義国とはいえないし、そのような非民主的な国が強大な軍事力を持つということに対しては、多くの人が「大変大きな脅威を覚える」と答えるであろうことは想像に難くありません。

ロシアは北方領土 の軍事拠点化を強めていますし、中国は南シナ海の軍事拠点化を強めながら、さらには尖閣諸島の接続水域への侵入を繰り返しています。

明らかに『「隙きあらば・・・」といった気配を漂わせている』といっても過言ではないと思います。

それらを踏まえると、

報道にあるような分析は極めて的を得ており、改めて、民主主義国だけからなる新国際連合の設立と、そこへの力の集中ということを検討すべき時期にきていることを痛感します。

中ロの協力は強大な力を保持することになりますので、それに対抗するためには、新国際連合を設立し、その旗の下に多くの民主主義国の力を結集するしかありません。

非民主主義国は影響力を持つ特定の個人や側近グループだけの意思に基づいて物事が決められるため、無謀な行いも多く、それだけ許容できる範囲の少ない国ということができ、結果的に民主主義国と対立することも少なくないと考えられるからです。

そして

これまで何度も主張してきましたが、中ロが民主主義国の仲間入りすることが一番良いことですが、その時がくるまでは非民主主義国とは一線を画する必要があると思います。

逆説的にいえば、非民主主義国と一線を画する方が、却ってそれらの国の民主化を早める契機になり、それだけ無駄な争いを避けることができるものと思われます。

そして最終的には中ロの民主化が進み、やがては全世界が共に民主主義国として様々な関係を構築できる日がくるはずで、その日のくることを心から期待したいと思います。