田原氏の河野外相批判は無責任

トランプ米政権は2日、今後5〜10年間の米国の核戦略の指針となる「核体制の見直し(NPR)」を発表しました。この件で、ジャーナリストの田原総一朗氏は、4日、都内で開かれた民進党の党大会で来賓としてあいさつした際に河野外相批判を行ったそうですが、これに対し、木走正水(きばしりまさみず)氏が無責任な論だと論評しています。

『田原総一朗氏の河野太郎外相批判について反論する~現状の日本は立場上同盟国アメリカの核戦略を支持するほかない 』

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トランプ米政権は2日、今後5〜10年間の米国の核戦略の指針となる「核体制の見直し(NPR)」を発表いたしました。

核攻撃への抑止と反撃に限らず、通常兵器への反撃にも核の使用を排除しない方針を打ち出し、爆発力を抑えた核兵器の開発方針も明記、「核なき世界」をめざして核の役割を減らそうとしたオバマ前政権の方針から転換し、核兵器の役割を広げる方針を明確に打ち出しました。

新しい指針では、新たな核開発を進めることもうたったおり、短期的には潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)で使う爆発力を抑えた新たな核兵器の開発を検討、長期的には、海洋発射型の核巡航ミサイルを新規に開発する方針も盛り込んでいます。

ジャーナリストの田原総一朗氏は、4日、都内で開かれた民進党の党大会で来賓としてあいさつし、河野太郎外相を、「みっともない対米追従。恥さらしだ」と、痛罵いたします。

田原総一朗氏の河野太郎外相強烈批判は、ジャーナリストとして具体的代案のない極めて無責任な論だと思います。

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核爆弾は

地球そのものを汚し、破壊しかねない爆弾であり、これまで米ロを中心に、核装備を制限、削減、全廃するための核軍縮についての交渉が重ねられてきたことは、多くの人の記憶に残るところです。

トランプ米政権はこれを一転して見直しを宣言し、それに対し河野太郎外相が高く評価したとのことです。

トランプ米政権の

見直しの理由としては、「米国はこの10年間で核の保有数や役割を減らした。他の核保有国は備蓄を増やし、他国を脅かす新兵器を開発した」というところにあるようですが、これが事実だとしたら当然の反応かもしれません。

核軍縮は関係各国が足並みを揃えて行わなければ意味がなく、結局のところ、大国のエゴが混乱を招いていることは間違いないようです。

本来は

国連という大きな権力に基づく核軍縮でなければ意味がなく、国連が骨抜きになっている以上、今回のような混乱はしょうがないことともいえます。

民主主義国家による新国際連合が設立されれば、その権力を背景にした強制調査が行われるので、いわゆる「抜け駆け」を封じることができ、その結果として核軍縮も強力に押し進められると思いますが、それまでは疑いがある以上は対抗措置がとられることも自然なことだと思います。

結局、

今後は核兵器の開発・保有が増えることになりそうですが、いわゆる小型核の使用がお互いの視野に入ることになると、現在シリアで複数回のサリンの使用が報告されているようですが、これと同様に、小型核による戦闘が激化することにもなりかねません。

このような状況において、仮に中ロが新たな核兵器の開発に加担しているのであれば、米国も足並みを揃えることになるし、日本はその米国を支持することも当然のことだと考えます。

単に口先だけで「対米追従はみっともない」と批判するだけでは、無責任との非難を免れることはできないと思います。

要するに

中ロと米国のどちらを信用するかという問題で、日本はより民主的な米国を信用するということであり、実力行使になればその軍事力をあてにするということになります。

米国は沖縄を返還していますが、ロシアは北方領土を占領したままであり、中国は尖閣諸島周辺の日本の接続水域に入域を繰り返していることを思えば、一目瞭然といえます。

あまりにも

過激なのも、逆に泣き寝入りするのも適切ではない以上、現実問題としては、民主主義陣営から逸脱せず、足並みを揃えて対応するしかないと思います。

相手の軍事力が強化されると、実力行使ができなくなり、つまりは民主主義的でないことも、多くを黙認するしかなくなります。

そういう事態を容認できるかどうかだと思いますが、いかがでしょうか。