メガバンクが地方から消える日

みずほフィナンシャルグループが1万9000人の人員削減を計画するなど、メガバンク3行に他の大手行分を含めると7万人程度の削減が予想されるそうです。

『メガバンクが地方から消える日、みずほ全国で100店削減へ』

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みずほフィナンシャルグループが1万9000人の人員削減を計画するなど、メガバンク3行に他の大手行分を含めると7万人程度の削減が予想される。大手銀行がスリム化を急ぐのには、3つの要因がある。(夕刊フジ)

1つは人工知能(AI)に代表される機械による代替可能性だ。ATMやネット取引の普及などで、有人店舗がどんどんなくなっているのがその証拠だ。かつては難しいと思われていたAIによる自動運用についても、銀行本体も顧客向けも、既に実用化されている。

2つ目は「対面」ないし「行員による」営業の喪失だ。以前はこれが基本だったが、現在では電話、ネット、ダイレクトメールなどに中心が移り、行員でない外部受託者が顧客に対応する時代となっている。

法人向けは個人と違い、対面が基本だとの反論もあろうが、そもそも行員が顧客を訪れなくなっている昨今、言い訳にしか聞こえない。

そして3つ目が外部環境の変化だ。とりわけマイナス金利と、国際金融規制「バーゼル規制」が脅威といえる。

マイナス金利については地域金融機関だけの問題と理解されることが多いが、メガなど大手行も相当困っている。かつてのように余資をとりあえず日銀に預けたり、国債購入に充てたりというわけにはいかなくなっているのだ。

【産経ニュース 配信】

メガバンク3行に

他の大手行分を含めると7万人程度の削減が予想されるということで、大勢の銀行マンが職を失うことになるようです。

理由の一つとして人工知能(AI)に代表される機械による代替可能性が指摘されていますが、人に替わって機械を使うということのメリットは何なのでしょうか。

人件費の削減でしょうか。

いつも思うのですが、

企業は自社の利益を追求する前に、社会における自らの役割を認識する必要があると思います。

企業というのは人が働く場所であり、そこでは生産物やサービスが生み出されると同時に、消費力(消費者)も生み出されます。

生産物やサービスが意味を持つのは消費者がそれを利用するからであり、生産者と消費者の両方の側面を持つものが企業だと思います。

今回の報道では

AIに代表される機械による代替可能性を理由の一つとして、7万人程度の削減が予想されていますが、つまりは7万人の消費者を失うことにもなりかねません。

機械により生産性が増大するならば、それに見合った消費力の増大がなければ利益を確保することはできません。

たとえ

自社が利益を確保できたとしても他社では利益を確保することができなくなり、企業全体でみれば利益を確保することは難しくなります。

従って企業は単に生産面のみに目を奪われるのではなく、消費面についての配慮も必要になることを、忘れてはいけないと思います。

その意味では、

企業において生産性を上げる時には、給与を増やすなど消費力を上げることも、同時に考慮しなければならないことを肝に銘じる必要があると思われます。

政府においても、単に「デフレ脱却」をスローガンとして掲げるだけではなく、企業に対し消費力向上の責任を強く認識させるなど、またそれを実施させるための現実的な施策の立案と施行が求められているものと、推察されます。

これからは人口がさらに減少していくともいわれていますので、消費力ということをもっと真剣に考える時がきているのではないでしょうか。