「立っている方が集中できる」は本当

今年9月末に科学誌サイコロジカル・サイエンスに、「立っていることが思考に良い影響を及ぼし得る」という主張を科学的に裏付ける新たな研究結果が発表されたそうです。

『「立っている方が集中できる」は本当だった? 脳の処理速度に影響』

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仕事中は座っているべきか、立っているべきか──。ここ数年、健康に関して大きな注目を集めている議論の一つだ。この問題に関しては、「座っていることは喫煙に等しい」という例え方も(100%正しいかどうかは別として)、よく耳にするようになっている。

悪影響が喫煙と同程度とまでは言わないとしても、この点について考えてみることには合理的な根拠がある。今年9月末には科学誌サイコロジカル・サイエンスに、「立っていることが思考に良い影響を及ぼし得る」という主張を科学的に裏付ける新たな研究結果が発表された。

研究チームが行ったストループテストの結果では、座っていたグループと立っていたグループの間にわずかな差が確認された。

違いを生むのは「ストレス」

このような結果が得られる理由としてはまず、私たちにとっては立っている方が「負担が大きい」ことが挙げられる。身体的にきついと感じられるだけでなく、脳が管理すべき事柄も増えるためだ。脳は筋肉のわずかな収縮をコントロールしながら、体重のバランスを取らなくてはならない。立っているときに受けるその他の複数の小さな負担は、脳の認知機能に対するストレスを高めることになると考えられる。

ただ、圧倒されてしまうほどの大きさではなく、管理可能な小さなストレスが私たちの認知能力を高めることは、過去の研究からすでに明らかにされている。

【Forbes JAPAN 配信】

要するに

立つことは小さな緊張を生み、それが脳の認知機能に対するストレスとなることで、逆に認知能力を高めるということのようです。

わずかに増す脳へのストレスが、注意力を高め、その時点で行っている作業への集中力を高めると見られているようです。

集中力が低下する原因については、

「実行すべきタスクに注目できていない」、「今必要のない情報が脳内を占拠している」といった指摘があります。

これらを勘案すると、立つことが一つのストレスとなり、脳を刺激することで、為すべきことへの集中が高まり、脳内に必要な情報が集められるということになるようです。

逆の考え方としては、

瞑想により雑念を取り払うことで集中力を高めるという手法も提起されています。

この考え方の根拠となっているのは、人間の脳は「1日に1万回思考する」と言われていることで、一つのことに集中するのはデフォルト状態では困難だから、逆に何も考えないで、しいて言えば呼吸のことだけ考えて瞑想することによって、集中すべきことに集中できるようになるというものです。

ストレスか瞑想かという

図式にも見えますが、無理やり呼吸のことだけ考えるという行為自体が一つのストレスと考えれば、共にストレスを与えるという図式が現れてきます。

どうやら、ストレスがあり、それを取り除こうとすることで集中力が発揮される、と考えることに無理はないのかも知れません。

一般的に

大きなストレスは心身を傷つけますが、小さなストレスはそれを克服することで、ある種の快楽が得られることも指摘されています。

好きなことに没頭することが集中力を高める一番の方法だと思いますが、仮にそれ以外のことに集中しなければならない場合は、「早く解決して楽になりたい」という気持を利用すべき、ということなのかも知れませんね。