なおざりな捜査が誤認逮捕招く

インターネットを利用したチケット購入を巡る詐欺事件で、三好署が、愛知県豊田市の専門学校生の女性を誤認逮捕したそうです。

『なおざりな捜査が誤認逮捕招く 徳島・チケット詐欺』

Screenshot of www.topics.or.jp
⇒徳島新聞の記事へ 
 
※記事が削除されている場合もありますのでご了承願います。

インターネットを利用したアイドルグループのコンサートチケット購入を巡る詐欺事件は、三好署の誤った見立てに基づく不十分な捜査が、愛知県豊田市の専門学校生の女性(21)=地検が処分保留で釈放=の誤認逮捕を招いた。匿名や成り済ましが横行するネット上での犯行で、客観的な証拠が乏しかったにもかかわらず、逮捕に踏み切っていた。

三好署は2016年9月、チケット代4万円をだまし取られたとする県内の女子高校生の相談を受けて、捜査に着手。女子高校生が代金を振り込んだ口座が、誤認逮捕された女性の名義だった。署では、入金後すぐにお金の一部が引き出されていたため、この女性単独または女性を含むグループの犯行との見方を強めた。

署は、短文投稿サイト・ツイッターの運営会社に、女子高校生とやりとりした相手を照会したが、アカウントが削除されていて分からなかった。ところが署は、やりとりの相手を特定できていないまま、女性の逮捕状を請求した。

事態が急転したのは女性がチケットを実際に郵送したことを証明する「特定記録郵便物等差出票」を、自ら見つけてからだった。女性は捜査で見つけられなかった差出票を自力で探し出し、釈放5日後に地検に提供。県警が差出票を探した郵便局は愛知県内の1局だけで、女性はその隣の局で見つけたという。

【徳島新聞 配信】

最終的には、

その後の捜査で京都市の女子中学生(15)がこの女性に成りすまし、チケット代を振り込ませるなど複数の取引を偽装していた疑いが出てきたため、11日にその女子中学生(15)を詐欺容疑で書類送検したそうです。

疑いをかけられた専門学校生が「特定記録郵便物等差出票」を自ら見つけていなかったら、冤罪が生まれていたかも知れません。

この事件の問題点は、

女子高校生(被害者)とやりとりした相手(犯人)のアカウントが削除されていて分からなかったにも関わらず、チケット代が専門学校生名義の口座に振り込まれていたことを重く見て逮捕した点にあります。

仮に自分の口座に振り込まれていたとしても、他人が自分の名前で口座を作ることができたら、自分の知らないところで物事が進んでいることになりますので、それだけでは証拠としては不十分といえます。

実際に

そのようなことが可能かどうかは分かりませんが、不可能でない限りはその(成りすましの)可能性も捨てずに、確たる証拠に基づいて捜査されるべきだったと思います。

極端な言い方をすれば、「冤罪を生むよりは迷宮入りの方がまし」という、心づもりになって捜査に当たってもらうしかなく、その意味では、どんなに時間がかかっても、いわゆる「腑に落ちない」場合は、踏みとどまる気持ちが大切だと思います。

組織としての体裁や、

不名誉事態の回避などの意識によって、ことを急ぐ気持ちが起こることも分からないではないですが、冤罪ほど大きな不幸はありません。

今後は、何よりも「冤罪を生まないこと」を一番の誇りに、捜査をしていただきたいと思います。