ついに朝中国境に高圧電流

脱北と情報の流出入を阻止するために設置した、朝中国境の豆満江と鴨緑江沿いの鉄条網に、高圧電流を流し始めたそうです。

『<北朝鮮内部>ついに朝中国境に高圧電流 脱北・密輸ほぼ不可能に』

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脱北と情報の流出入を阻止するために朝中国境の警備強化を図ってきた金正恩政権が、ついに豆満江と鴨緑江沿いに設置した鉄条網に高圧電流を流し始めた。「もう中国への越境は不可能だ」と現地住民たちは嘆いているという。北部の咸鏡北道と両江道に住む取材協力者が伝えてきた。

「最近国境にはアリ一匹も近づくことできない。鴨緑江沿いに設置された鉄条網に電気が流され、触れて感電する人が多い。死んだ人もいるそうだ。最近も恵山(ヘサン)市ウィヨンドン洞で女性一人が感電して鼓膜が破裂したそうだ」

7月4日、両江道の国境地域に住む取材協力者が、厳しい国境の状況をこう伝えてきた。

【アジアプレス・ネットワーク 配信】

第二次世界大戦後、

いわゆる分断国家が誕生しました。

東西に分裂したドイツと、南北に分裂したベトナム、朝鮮が、それらの国家として知られていますが、ベトナムは1976年に統一され、ドイツは1990年に統一されています。

ベトナムの統一は中国の支援がアメリカの支援に勝ったためであり、ドイツの統一は当時のソ連の影響力低下のためといわれています。

つまり

大国の影響が分断国家の維持や統一に大きく関わっていることが分かります。

三つの分断国家の内、朝鮮だけが未だに分裂状態のままこんにちに至っていますが、その原因としては、やはり中国の影響を否定できないと思います。

背景的にはベトナムと同様の状況ともいえますが、当時の北ベトナムは特定の個人の独裁国家ではなかった点、南ベトナムでは政治腐敗が深刻になっていた点において、今の南北朝鮮とは異なっていると思われます。

今の北朝鮮は

金一家の独裁政権であり、また韓国は経済的にも発展を遂げた民主国家であることが、北朝鮮による韓国の解放という大義名分を掲げるには、相応しくない状況にあるといえます。

更には支援するアメリカの軍事力が増強され、日本への影響度も強いことを考えると、当時のベトナムのようにはいかないことは明白で、それだけに中国の姿勢が問われるところだと思います。

仮に

朝鮮が韓国主導で統一されたとして、果たして中国の脅威は増すのでしょうか。

米軍基地がより近くに迫るとしても、今の状況とそんなに大きく変わるとは思われませんし、統一後は中立国としての存続という選択肢もあると思います。

もし中国が

変化を決断する場合、中朝国境の解放というものが一つの平和的統一への道という考え方もあったと思いますが、今回の報道のような高圧電流の壁ができたことで、より解決が難しくなったと思います。

何よりも脱北者への道が閉ざされたことにより、不幸を断ち切る選択肢が少なくなったことは、大きな悲しみでもあります。

戦後ただ一つ残された分断国家の南北朝鮮問題は、中国に大きな責任があり、少なくとも自国のエゴにより不幸を長引かせていることについては、大いに自覚すべきだと思います。