生活ギリギリでがん治療受けずに死亡
無料低額診療事業制度というものをご存知でしょうか。
『生活保護却下 男性、生活ギリギリでがん治療受けずに死亡』
兵庫県内で昨年3月、4年間にわたり体調不良の症状がありながら経済的な理由で病院にかかっていなかった男性(当時78歳)が、直腸がんで死亡していたことが全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査で分かった。男性は数年前に生活保護申請を却下されていたという。県民医連は「この例は氷山の一角。行政がもっと丁寧に対応していれば手遅れにならなかったかもしれない」としている。
県民医連によると、男性は独身で1人暮らし。親族や友人もおらず月額10万円の年金で、家賃1万2000円の県営住宅に住んでいた。生活保護の申請を出した自治体からは「生活保護の基準より収入が若干多い」という理由で却下されていた。
(略)昨年2月26日、無料低額診療事業を実施している病院に初めて行き、その後直腸がんが進行していることが判明。医師らは入院を勧めたが本人が「金がかからないと言われても信用できない」と拒否し、約1カ月後に自宅で死亡しているのを警察官が発見したという。
【毎日新聞 配信】
皆さんは
無料低額診療事業制度というものがあることをご存知でしょうか。
無料低額診療事業とは、低所得者などに医療機関が無料または低額な料金によって診療を行う事業で、厚生労働省の説明によりますと、『「低所得者」「要保護者」「ホームレス」「DV被害者」「人身取引被害者」などの生計困難者が無料低額診療の対象』とのことです。
全日本民医連の2016年10月18日付けの記事に「無料低額診療事業制度」についての説明がありましたので、ご覧ください。
このような
「医療費の心配をしている人も安心して受診できるように」という仕組みがあるにも関わらず、それを利用できない人が多いとすれば、こんな悲しいことはありません。
報道されている男性が生活保護の申請を行った時に、この制度のことを知らされていれば、もっと違った結果になったはずで、それを思うと残念でなりません。
大切な情報を、多くの人に拡散することの重大さを、改めて知らされた思いです。