兄弟子から暴行

大相撲関連の報道がありました。

【兄弟子の暴行で失明、芝田山親方らに賠償命令】

大相撲の芝田山部屋に入門した元力士の20歳代男性が、兄弟子の力士(25)による暴行で左目をほぼ失明したとして、兄弟子と芝田山親方(元横綱大乃国)、日本相撲協会に約6800万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(佐久間健吉裁判長)は24日、兄弟子と芝田山親方に対し、約3200万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

判決によると、男性は中学卒業後の2008年4月、同部屋に入門したが、遅くとも09年8月以降、兄弟子から日常的に暴行された。男性は左目に網膜剥離を発症し、同月以降、4回の手術を受けたが、13年1月には、視力をほぼ失った。(読売新聞 配信)

将来は横綱にと夢一杯で入門したはずなのに、

1年後には兄弟子から日常的に暴行されていたという報道に悲しみと怒りを覚えました。この暴力というものはどこにでも隠れているもので、それがはびこる原因は「本人が咎められないことにある」のだと思います。

あらゆる組織で少なからず存在する問題だと思いますが、それを防ぐ仕組みがないことが不思議でなりません。人は感情的で利己的な生き物であり、それを前提にした仕組みがあってしかるべきです。仕組みがなければそれを誰かに相談することもできません。仮に誰かに相談したことが暴行者に知れたら、さらに暴行が激しくなる恐れがあるからです。

例えば

消費生活センターのような暴行情報の通報を受け付けるセンターを設置するのが良いと思います。
手順としては次のようなことが考えられます。

  1. 暴行情報を受付記録する(内容は録音し、氏名などは聞かないで組織のみ聞く)
  2. そこで一定の件数が集まった場合、その組織の責任者に調査を義務付ける
    (その時点で、責任者とその組織は被害者と被疑者を隔離する)
  3. 責任者からの調査結果を待って記録する
  4. 暴行があったという結果の場合は、責任者とその組織に保全を義務付ける
    (違反すると罰せられる)
  5. 暴行がなかったという結果の場合は責任者を通して、今後そのようなことがあった場合は、隠蔽があったとみなして、より重い処罰になる旨を全体に通知する
  6. その後の暴行情報を受付記録する
  7. そこで一定の件数が集まった場合、裁判所に盗聴や盗撮を申請
  8. 調査を開始し、証拠が得られたら逮捕し起訴する

勿論「程度による」という部分も考慮すべきですが、正式に問題として取り上げられるということ、周りの者も見て見ぬふりをせず情報をあげられるということ、これらが大切なのだと思います。

この問題については組織の体質が一番大切で、隠蔽せずに正面から是正できる風土が必要で、そのためにも一定の仕組みができることの意味は大きいと思います。